メキシコペソのような新興国FX通貨は、時期的要因を受けて特徴的な値動きをすることがあります。一つの例がヘッジファンドの解約月です。解約条件の45日ルールを意識した決算期には、ポジション調整の傾向がしばし見られます。
ポジション調整の時期は、暴落が起こることも珍しくありません。個人投資家は、そうした時期にリスク調整を行う必要があります。以下、詳細を解説します。
- メキシコペソはリスク資産
- ヘッジファンドの解約ルール
- ポジションを処分すべき時期
メキシコペソはリスク資産
時期的要因を語る前に、まずはメキシコペソというFX通貨の位置付けを解説します。FX通貨というと、日本円や米ドル含めて多数あります。そして、各通貨はその特色に応じて一定のリスク評価がされています。例えば、日本円で言えば低リスク通貨で、リスク回避やポジション調整の局面では買われる通貨です。
一方で、リスク資産と呼ばれる高リスクと評価される通貨もあります。それがメキシコペソを含む高金利通貨です。ペソやトルコリラ、豪ドルと言った金利通貨は、基本的に金利目的のキャリートレードで運用されます。このキャリートレードというのが、機関投資家にとっては結構なリスクを負う運用主要なのです。
そのため、機関投資家、とりわけヘッジファンドのポジション調整の時期になるとメキシコペソは売られる傾向があります。では、ポジション調整の時期はいつなのか。この記事の主題は、そこにあります。
ヘッジファンドの解約ルール
結論を言うと、ヘッジファンドの決算時期は3月、6月、9月、12月です。この時期に合わせて彼らはポジションの調整を行います。その調整時期の目安は、おおよそ各決算期から数えて60日前~45日前です。
このポジション調整は、一説に45日ルールの存在があるためと言われています。45日ルールとは、ヘッジファンドが顧客と結ぶ契約条項の一つです。
- 45日ルール(解約ルール)
ヘッジファンドの顧客は、解約を申し出る際は決算日の45日前までに申し出なければならない。
ヘッジファンドのパフォーマンスに不安がある場合、その顧客は解約を申し出ます。その解約が決算日の45日前に集中すると暴落を引き起こすというロジックです。結局の所、ヘッジファンドの運用も相場次第ですので、解約が相次ぐときはポジションを調整しなければならないのでしょう。売りが相次ぎ、暴落が起きることがしばしばあります。
ポジションを処分すべき時期
以上のように考えると、ヘッジファンドのポジション調整が始まる前に個人投資家は売り切りたいのが本音でしょう。欲を張らずにいられれば、処分時期が来る前にポジションの量を減らすことが可能です。要は、処分月の前に売ればいいだけです。
いくらスワップ運用でも、リスク調整は必要です。上記の時期はポジションの量を減らしましょう。処分の時期がすぎたら、再び買い直せばよいのです。
別の見方をすると、新規に入る場合は処分時期明けが良いかも知れません。うまく為替レートが下がっていれば、スワップ運用には有利に働きます。良いスワップポジションを作りたければ処分明けに買え。良いタイミングの取り方が長期運用のコツであるのかも知れません。
参考記事:メキシコペソの高金利を活かすスワップ運用
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