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メキシコペソは関税見送りで買いとなるか

揺れるメキシコペソ~アメリカ関税問題とその見送りで

今回はメキシコペソの現状を解説していきたいと思います。

先日、トランプ大統領から突然のニュースが飛び出してきました。中国に続き、メキシコへの関税を引き上げるという内容です。幸いにも関税措置は延期されましたが、市場に大きな波紋を広げる形となりました。

この関税発言により、メキシコペソの先行きには不安が募っています。日本の投資家の方々も不安に駆られていることでしょう。そこで今回はチャート分析を絡めて、管理人なりの相場観を語っていきたいと思います。

メキシコ関税問題で市場に冷や水

トランプ大統領が移民問題の解決に本腰を入れる

最初に事の次第から解説していきましょう。

去る5月31日。市場に大きな衝撃が走りました。トランプ大統領が中国に続き、メキシコにも関税上乗せを実施するというのです。この発表を受けて、市場は一気にリスクオフへ。メキシコペソは当然のこと、世界の先物市場がすべて下落するという事態に陥りました。

幸いにも同じ週の土曜日に関税は見送りへとの発表がなされました。翌週月曜日にはメキシコペソも窓を開けて上昇。市場から安堵の声が聞こえてきたようです。

ただ、果たしてこれでメキシコペソは安泰と言えるのでしょうか。管理人はそうは思いません。今後も関税リスクはメキシコペソのチャートの上にずっしりと乗ってくるものと考えます。

そんな訳で、今回は管理人なりのメキシコペソに対する相場観を述べていきたいと思います。

米国がメキシコからの移民問題に本腰を入れる

前述の通り、メキシコへの関税上乗せは回避されましたが、まだメキシコにとって課題が残っています。移民問題です。

移民問題は米国・メキシコの両国にとって長いこと懸念事項となっていました。南米からの移民がメキシコを経由して米国に流入しているからです。米国としてもこの問題を抑えるべく、長いことメキシコに対して措置を取るように再三要請をしてきました。

しかし、先日の記事で書いた通り、大規模な移民キャラバンがアメリカに到達するなど、一向に改善の余地がありません。今回の関税措置は業を煮やしたアメリカによる強硬策と見てよいでしょう。これでメキシコは移民問題に対して後がなくなりました。

トランプ大統領は満面の笑みで関税見送りを発表しました。しかし、側近の閣僚達はそうでもありません。例えばロイターによると、ポンペオ国務長官が釘を刺す形で「移民に関する合意事項に進展が見られない場合は再び関税措置を検討する」と発表しています。まだまだ、移民問題は終わっていないのです。

米国側がとうとう移民問題解決のために本腰を入れてきました。メキシコにとっては長年くすぶっていた重いリスクが顕在化した形です。この問題はメキシコペソのチャートに大きな影を残すことでしょう。

ドル・メキシコペソのチャート分析

では、日本の個人投資家はどのような行動を取ればよいのでしょうか。売りでしょうか、買いでしょうか。

管理人はここで様子見の姿勢を取りたいと思います。今は時期がよくありません。そのことがチャート分析から見て取れます。

ドルメキシコペソは三角持ち合いのチャートパターン

上記はドル・メキシコペソ(USD/MXN)の長期チャートです。ご覧の通り、長らくドル・メキシコペソのチャートは三角持ち合いの状況にあります。つまり、方向感が定まっていない状況であるという訳です。

チャート分析のセオリーとして、三角持ち合いはブレークした方向についていくのが基本です。もしくはトレンドライン近辺での逆張りが第二候補といったところでしょうか。この点、今の位置はあまりにも中途半端でエントリーしにくいものがあります。

賢い投資家なら、下がるか上がるかして動きのあった後にエントリーしたいものです。例えば、以下のような値動きです。

メキシコペソは三角持ち合いを下抜けたら買い

ひとつのシナリオの例として、上記チャートのように三角持ち合いをブレークした際に初めて買いの戦略が成立します。まだまだ、現時点では様子見以上のシナリオを管理人は描けません。メキシコペソは次の材料を待つ段階にあると考えます。

メキシコペソの次の材料は何か

以上の通り、今回は「様子見」という消極的な選択肢を提示してみました。今回の関税措置はそのくらいインパクトのある内容であったと考えます。今年のメキシコペソは昨年と違って、非常に難しい相場になりそうな気配が漂っていると感じます。

では、メキシコペソの次の材料はなんでしょうか?

当てずっぽうになるかも知れませんが、個人的には米国にバブルがくるんじゃないかと考えています。

米国株にもう一段の上げはあるか

米国の株価はここしばらく長期的にくすぶっている状況です。しかし、直近でドル安・株高の動きがあります。ドル安になれば米国株も買いやすいということで、もう一段の株高が実現するかもしれないのです。

米ドルを動かす要因としては、やはり巷で話題になっているFRBによる政策金利引き下げでしょう。政策金利が引き下げられればドルの金利も下がり、通貨の魅力が失われます。しかし、その一方で景気は上向きとなることが期待され、ドルが安くなった分だけ米国株にもバリュエーションが生まれるのです。ここら辺のシナリオについては、トルコリラの為替投資戦略で予想記事にも書きました。

米国にバブルが来れば、メキシコの景気も良くなります。そこでドル安ともなればますますメキシコペソのレートも上がりやすくなりますね。

まあ、兎にも角にも今は様子見。米国のバブル到来を待つ状況であると考えます。

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