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メキシコ中銀がGDP予想を据え置く理由

メキシコ中銀がGDP成長率の予想を据え置き

先日、2月24日にメキシコ中銀がGDP成長率の発表を行いました。市場に影響を与えなかったものの、結果は予想をわずかに上回り先行きの良さを感じさせる内容でした。

問題となるのは、2018年の予想修正を行わず据え置きとしたことです。NAFTA交渉や大統領選を織り込んでいません。この辺りの事情を考えていきましょう。

  1. 2018年のメキシコ中銀GDP予想
  2. 下方修正を織り込まず据え置き
  3. 2018年のメキシコFX市場は

2018年のメキシコ中銀GDP予想

最初にメキシコ中銀の発表内容から。メキシコ中銀は去る2018年2月24日にGDP成長率の発表を行いました。結果は以下の通り、予想を僅かに上回る内容となりました。

メキシコ中銀のGDP成長率予想

問題となるのは、ここから。メキシコ中銀は、本年度から来年度へのGDP成長率の見通しを「据え置き」としたことです。

本来的に据え置きならば問題ないようにも思えます。ただ、2018年のメキシコ経済はそうも言ってられない事情があるのです。

下方修正を織り込まず据え置き

前述の通り、メキシコ中銀はGDP成長率を据え置きとしました。問題となるのは、今年のメキシコは多くのネガティブイベントが控えていて下方修正の可能性があることです。

そのひとつがNAFTA交渉です。トランプ大統領率いるアメリカがNAFTA撤退をほのめかしているため、メキシコとしては断固引き留め交渉をしなければなりません。しかし、現段階では可能性は未知数。交渉に失敗すればメキシコ経済に悪影響を与えることは必然ですので、GDP下方修正のリスク第一位と言えるでしょう。

参考:NAFTA交渉とメキシコペソのFXチャート

もう一点が、夏に控えた大統領選挙です。現在は左派が有利で、メキシコに改革の気配が漂っています。改革と言えば聞こえは良いものの、目先の経済にはマイナスです。左派勝利の場合、イギリスのEU離脱やトランプ大統領誕生直後のような混乱が市場に巻き起こると考えます。

参考:メキシコ7月の大統領選を解説

こうした事情を考えると、来期のGDP成長率に下方修正のリスクが高いことが伺われます。メキシコ中銀がGDP成長率の予想を据え置いた理由は、どちらかと言えば「織り込めない」が正解でしょうか。金融引き締めを強固に進めたい中銀としては、弱気の発言を出せない背景がありそうです。

参考:メキシコ中銀が政策金利を上げるワケ

2018年のメキシコFX市場は

最後に市場予想です。不幸中の幸いで、メキシコペソのFX市場に関して管理人は「夏までネガティブ」のサインを出してきました。前述の下方修正のリスクについても、全く想定内の範囲です。

この点、もしリスクが顕在化してペソが暴落する事態となれば、むしろ買いの後期でしょう。夏以降の需要に賭ける面白味が出てきます。

値段やレートで買うのではなく、タイミングで買う。これが投機・投資の醍醐味だと思います。メキシコペソのスワップ運用に興味のある方は、以下の記事もどうぞ。

参考:メキシコペソの高金利を活かすスワップ運用

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