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メキシコ7月の大統領選を解説

メキシコでは2018年の7月に大統領選挙を控えています。理由は、現政権のニエト大統領が任期を満了するためです。大統領選では、2人の候補者が大きく注目されています。オブラドール候補とミード候補です。

今回は、FXのビッグイベントを控えて、メキシコ選挙の概要をおさらいしておきましょう。

  1. メキシコ選挙の概要
  2. 候補者の概要と人気度
  3. 判断のポイントは財政と外交

メキシコ選挙の概要

最初にメキシコ選挙の概要です。現行のエンリケ・ペーニャ・ニエト大統領は、2012年より6年の任期を続けました。メキシコでは大統領の再任制度がありません。そこで任期満了に伴い、次期大統領の国民投票が1月に開かれるという次第です。

ニエト政権任期満了につき大統領選を実施

次期大統領は、国民による直接投票により決められます。アメリカのように1年の選挙レースをしたり、日本のように与党議員の中から選んだりといったことはありません。シンプルに得票率の高かった候補が大統領となります。そのため、必ずしも次期大統領の支持率が過半数を上回るとは限りません。

候補者の概要と人気度

大統領選に当たって、やはり何人かの候補がたっています。注目されるのは、2人の候補者です。一人はホセ・アントニオ・ミード候補。もう一人はアンドレ・マヌエル・ロペス・オブラドール候補です。

ミード候補は、現政権の財務相でした。ごく最近、大統領選挙に向けて辞任しています。労働者連盟に所属しているためか、財務政策では緩和的な方針を実施していました。事前調査では、得票率23.2%という予想が出されています。

メキシコ大統領選挙の候補

一方の人気馬が、オブラドール候補です。前々回の大統領選挙にも出馬し、その際は僅差で敗北しました。元メキシコ市長で、当時は政権と激しく対立したことが知られています。それもそのはずで、かなり極端な改革派の政治家であるようです。それでも国民の人気は高く、事前予想で28.7%という高い人気度を誇っています。

他には、最近になって立候補したハイメ・ロドリゲス知事(ヌエボレオン州)がいます。企業の法人税を下げる政策を打ち出していて、外交・内政ともにバランスのよい戦略を立てていることが魅力でしょうか。

判断のポイントは財政と外交

選挙が終わった後の新政権に期待されることは、外交問題と財政問題の解決です。外交問題に関しては言わずもがなで、トランプ政権との折衝をうまく行えるかどうかがポイントです。壁問題やNAFTA継続交渉など、メキシコはトランプ政権との間に頭の痛い問題を多く抱えています。ただ、これはどの候補が大統領になっても直面する問題です。

候補者によって差別化される要素が、財政問題に対するスタンスです。メキシコは2017年まで当時の財務相主導で緊縮財政を敢行し、国の歳出を減らしてきました。結果、インフレ率は改善し、国の信用度が上がるという成果を出しています。しかしながら、インフレファイターの呼称を持つルイス・ビデガライ財務相が辞任して後、やや緩和策に傾いています。

財務問題でポイントになるのは、緩和か緊縮続行かという視点でしょうか。ミード候補が当選すれば緩和策、オブラドール候補なら緊縮策が予想されます。いずれにしても、メキシコペソの投資に当たり、次期大統領選の結果は見逃せないイベントです。

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