FXでメキシコペソへの投資を行う際に知っておきたいこと。それが円高・円安の関係です。日本のFX会社では多くの場合、メキシコ円(MXN/JPY)の取り扱いがなされています。そんなメキシコペソ円を扱う場合には、円高・円安の価格レートも考慮しなければなりません。
日本円は市場のリスク選考度に応じても買ったり売られたりする性質のある通貨です。この点を踏まえて、メキシコペソ円の上手なトレード方法を解説していきたいと思います。
- 円高・円安とは
- リスクオンの円安・ペソ高
- リスク回避の押し目で買う
円高・円安とは
最初に円高・円安の基本を解説していきましょう。勘違いされる方も多いので、しっかり押さえておきたい項目です。
円高とは何なのか?答えは日本円の為替レートが他の通貨よりも強い場合に使われる言葉です。
例えば、メキシコペソ円のレートが1ペソ15円の時と20円の時では、15円の時の方が円高です。なぜなら、「たった15円だけ」出せば1ペソを買うことができるためです。逆に1ペソ20円の場合は「20円も出さないと1ペソを買えない」ので、円の価値が安い=円安となっています。
図でまとめると上記の通りです。1ペソ15円から20円への変化は「円安」なのです。この言い回し、理解して頂けるでしょうか。しばしば混乱されている方が多いようです。
リスクオンの円安・ペソ高
円安・円高の基礎が分かった所で、日本円とメキシコペソの売買されやすい状況について解説しましょう。基本は「リスクオンの円安・ペソ高」です。
まず、メキシコペソはリスク資産と呼ばれる分類の商品です。新興国通貨ですので、アメリカや欧州などの先進国に比べて破綻のリスクが高くなっています。そのため、市場が積極的にリスクを取る状況にないと買われません。もっとも、そのリスクさえ許容できれば高い金利収益を見込むことができるので、投資家の間には一定の需要もあります。このような性質を持つ資産をリスク資産と呼んでいます。
一方の日本円は、リスクオンの状況で売られる通貨です。理由は様々にあるのですが、その一つが「保有していても利子が全くつかない」ためです。FXの表現に直せば「売りで入っても支払いスワップが全くない通貨である」と言い換えることも可能です。ともかく、日本円は金利の都合上、売りで入るのに便利な通貨です。
このため、市場が積極的にリスクテイクを取るような状況(=リスクオンの状況)になると、メキシコペソは買われ、日本円は売られます。するとダブルの効果でペソ円レートは上昇するのです。ある意味、かなり市場のリスク感応度に敏感な通貨ペアであると言えます。
リスク回避の押し目で買う
最後にリスクオン・リスクオフの状況について説明しましょう。基本的には世界的な景気の善し悪しが市場のリスク選好度に影響を与えます。現在で言えば、米国の景気が非常によく、米国株が史上最高値を更新しています。こうした状況は全くのリスクオン状態と言って良いでしょう。
ただ、長期的なリスクオンの状況でも一時的にリスクオフの空気が流れることがあります。例えば、北朝鮮のミサイル問題ですとか、中国と米国の貿易摩擦がニュースで流れているような状況です。そのような状況は市場のムードを悪化させ、マーケット参加者にリスク回避の動きを促します。当然ながら、円高に傾きますし、メキシコペソも売られやすくなります。
ところが、短期的なリスク回避の値動きこそが絶好の買い場なのです。理由は簡単で、安いからです。難しい点は、そのリスク回避の値動きが一時的なものかどうかを見極めるのに経験が必要であることでしょうか。
上記のような状況を「押し目」と言います。メキシコペソのようなリスク通貨を長期保有して儲けを出すには、この押し目をうまく探して買う必要があります。トランプ発言然り、北朝鮮問題然り。うまく押し目を探して買っていきたいものですね。
そのような訳で、メキシコペソのスワップ運用に興味のある方は、関連記事もご覧ください。弊サイトではメキシコペソに関わる色々なニュースや分析を取り扱っています。
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