メキシコペソは2013年から大きく下落を続けた通貨です。特に米ドルに対しての下落は顕著で、当時から約40%も下落しました。
大きな理由は米国の金融緩和策です。ただ、金利通貨は周期的に買いが入る性質の商品でもあります。この仕組みを解説していきたいと思います。
- メキシコペソが下落した理由
- 金融緩和が終わるとどうなるか
- アメリカは世界最大の投資国
メキシコペソが下落した理由
最初にメキシコペソのチャートをみていきましょう。冒頭に書いた通り、メキシコペソは2013年から大きく売られた通貨です。以下にドル対メキシコペソの直近5年間のチャートを示します。
チャートはドル対メキシコペソですので、上に行くほどペソ売りとなります。ご覧の通り、メキシコペソは大きく下落。2013年の時点から40%以上もその価値を下落させました。
2013年と言えば、米国の量的金融緩和(通称QE3)が本格的に始まった年です。もう理由は明白ですね。金融緩和策で米国に投資資金が集まった分だけ、メキシコから資金の引き上げがあったのです。
金融緩和策で、まず買われたのが米国債券でした。その次が米国株式です。ただ、その裏ではメキシコの金融商品も通貨ペソも下落の一途を辿ったという裏話がありました。実は、他の新興国(ブラジル・インド・トルコ等々)でも同様の傾向があったようです。
金融緩和が終わるとどうなるか
冒頭から書いている通り、メキシコペソは米国の量的金融緩和策の煽りを受けて下落しました。ただ、その金融緩和も2018年の現在では金融引き締めの局面に移行しています。さて、金融緩和策が終わるとメキシコペソはどうなるのでしょう。
一説に金融緩和が終わったのだから景気が下降し、再びリスク資産は売られるという話が出ています。ただ、それは歴史的に証明された事実ではありません。むしろ、金融緩和が終わるとバブルが来るというのが歴史の習わしになっています。
上記は2004年からメキシコペソが買われた時期のチャートです。2004年と言えば、当時のアラン・グリーンスパンFRB議長が金融引き締めを決定した年です。そこから米国は連続17回の利上げを敢行し、大きく経済の引き締めに掛かりました。しかし、2008年のリーマンショックに至るまで米国はバブルの陽気に浮かれていたという歴史があります。
金融引き締めを行うとバブルになるのは、どうやら米国投資機関の運用に理由の一端があるようです。米国の投資機関は借り入れ金を運用していますから、金融引き締めで金利が上がると利子の分だけ運転資金の負担が増えます。その結果、サブプライムローンのような高リスク商品に投資を行い、バブルを生み出すのでしょう。
アメリカは世界最大の投資国
以上の通り、米国の投資機関はリーマンショックを引き起こすまでに大きな影響力を持つ訳ですが、彼らにはひとつの面白い性質があります。それは米ドルが高い時期には対外投資に積極的になるという特徴です。
これはある意味で当たり前かも知れません。米ドルが高ければ高いほど多くの資産を買い入れることができますし、米ドルが安くなる頃合いを見計らって売れば為替差益を見込むことも可能です。そもそもが米ドルが高くなる頃には、米国株は割高局面となっているはずです。
結果として、彼らは高い米ドルを利用して新興国のような対外投資に積極的になります。当然、メキシコもその対象です。そのような訳で、米ドルが高止まりとなっている現在は、メキシコペソの買いトレンドが発生する可能性が非常に高いのです。
- 米国の景気が悪くなる(米ドル安・ペソ安)
- 米国の金融緩和が始まる(米ドル高・ペソ安)
- 対外投資が始まる(米ドル高・ペソ高)
- バブルがはじける(米ドル安・ペソ高)
大体にして、米国経済は上記のサイクルを繰り返しています。2018年の現在は3の局面に差し掛かったところでしょうか。そろそろ、メキシコペソの長期ポジションを作っていきたいところです。
メキシコペソのスワップポイント運用に興味がある方は、以下のページもご覧ください。
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