2018年もひと月が過ぎ、メキシコペソのFXレートは幸先の良いスタートを切ることができました。ただ、スワップ運用で安心するのは早いかも知れません。今年は大きなリスクイベントがメキシコ経済には控えています。
今回は、2018年の重要事項についてコメントし、一年の相場のイメージを築いていこうと思います。
- 2018年の重大イベント
- NAFTA再交渉
- 大統領選挙
- インフレ率・利上げ頻度
- 2018年のメキシコペソをイメージする
2018年の重大イベント
最初は、すでに明らかになっているメキシコ経済の重大イベントをまとめておきましょう。主なイベント・重要事項は3つ。NAFTA再交渉、大統領選挙、メキシコ中銀の利上げ頻度です。
NAFTA再交渉
既にファイナルラウンドが始まったアメリカ、カナダ、メキシコのNAFTA再交渉。貿易協定を見直したいトランプ大統領の思惑により、再交渉は極めて困難な局面を迎えています。メキシコ経済にとって、交渉失敗は大きなネガティブインパクトとなります。
仮に、アメリカがNAFTAから離脱した場合、メキシコ経済はその規模を2%ダウンすると言われています。メキシコ経済の成長率は高いとは言え、トータルサイズの2%はかなりの金額です。メキシコサイドとしては、なんとしてでもアメリカのNAFTA離脱を阻止したいところです。
そのような訳で、NAFTA再交渉の経過はリスク要因以外の何ものでもありません。悪いニュースが出ると相場が下がる。あいにく、メキシコペソにとってはマイナスの要素となっています。
大統領選挙
NAFTA再交渉の期間が過ぎると、次は7月に大統領選挙がやってきます。現在は左派政党が一歩リードの状況です。ただし、メキシコの大統領選挙は一斉の国民投票で一度に決まるので、状況がひっくり返る可能性が多々あります。
市場はそのような可能性を好ましく思いません。現在では、特に誰が大統領になるかは重要視されていませんが、先の状況が読めないこと事態がリスクファクターです。夏の大統領選前には市場も荒れるかも知れません。
というわけで、2つ目の重大イベントもメキシコ経済にとってはリスクファクターとなりそうです。ただ、無闇にペソが下落するようなら、その安値は却って買いのチャンスとなります。為替は政治に関係ない。昔から、そうした知恵が知られています。
インフレ率・利上げ頻度
最後の重要事項が、インフレ率の低減度合いと利上げの頻度です。ご存知の通り、現在のメキシコ中銀は新総裁がインフレ撲滅を主張する組織となっています。併せて、政策金利も上昇傾向にあります。実際、新総裁は就任早々、一回目の金利引き上げを実施しました。
メキシコペソにとって、利上げは追い風になります。インフレ率の低減はもちろん通貨価値の上昇につながります。加えて、スワップポイントの上昇に伴い、金利差益をもくろむヘッジファンドからの資金を集めやすくなるためです。
幸いなことに、現在のメキシコ中銀の姿勢は、メキシコペソのFXレートに大きくプラスに働いています。実際の所、前述のイベントリスクがありながらメキシコペソのFXレートは上がっています。それは、ペソのスワップポイントが魅力的であるからに他なりません。
2018年のメキシコペソをイメージする
以上の通り、リスクもメリットも交えて2018年のイベント・重要事項を解説してみました。
これを一年間のスケジュールに置き換えると、以下のようなイメージができあがると思います。簡単に言って、夏の大統領選挙まで波乱相場ですが、そこの安値を拾うイメージです。
2018年のメキシコペソはイベントリスクはあるものの、基調は追い風。イベント下落時の押し目は是非とも拾っていきたい。
こんなまとめでいかがでしょうか。よろしければ、これまで掲載した関連記事も読んでみてください。
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