FXのメキシコと言えば高利回りの金融商品が魅力的な国です。しかし、それに加えて好況なメキシコ経済も買いのポジション収益を後押しする勢いを見せています。その一つが低い失業率です。実に失業率3%という高い雇用情勢がデータから見て取れます。
メキシコの労働者有利な雇用体系と新設される工場設備ラッシュが背景にあるのでしょう。今回はメキシコ雇用統計の推移をデータで示し、その経済的な背景を探っていきたいと思います。
- メキシコ失業率の推移と背景
- メキシコの雇用体系は労働者に有利
- 好景気のメキシコ経済に自動車産業の影
- メキシコ投資にFXを利用する
メキシコ失業率の推移と背景
最初に雇用統計のデータからみていきましょう。以下のグラフは、メキシコの雇用統計指数を1990年からプロットしたデータです。IMFの統計情報からデータを拝借しました。
ご覧の通り、諸外国の中にあっては非常に低い失業率で推移しています。現在のメキシコでは、実に失業率3%台を記録しています。
この低い失業率の背景には、2つの理由があります。1つはメキシコの経済が好景気なこと。もう1つはメキシコの解雇規制が非常に厳しいことが要因として挙げられます。
今回はメキシコへの投資を考えるに当たって、上記の雇用情勢を軸に考えを巡らせたいと思います。
メキシコの雇用体系は労働者に有利
メキシコは労働者保護の強い雇用体系があることで知られています。特に労働法は1971年に制定されたメキシコ憲法を元に作られており、労働者の権利が非常に強い法体系になっています。長年の不況に喘いできた日本では信じられないような状況がメキシコにはあります。
雇用状況に関しては、具体的に以下のようなことが知られています。
- 原則的に会社は労働者を解雇することができない
- 解雇する場合は非常に高い解雇手当が必要
- それでも労働者が退職後に会社を相手取って裁判を起こすこともある
- なんと裁判中は在職中と同等の給与がもらえる
- そして有期雇用やパートタイム雇用は非常に限定的な状況でしかできない
これだけ労働者有利な雇用情勢になっていると、失業率3%という数字にも頷くことができますね。日本人にとっては羨ましい限りの労働環境となっています。もっとも、そんな労働環境にあってもメキシコ経済は好景気を見せているのですから、リストラや自由解雇が必ずしも景気を刺激する方策ではないことが分かります。
好景気のメキシコ経済に自動車産業の影
メキシコ経済が好景気であると書きました。その背景には諸外国企業からの工場新設があるようです。日本の企業もそうですが、米国をはじめとして自動車メーカーがメキシコに工場を新設するケースが非常に多いのです。
最近でこそトランプ大統領の政策で鳴りをひそめていますが、やっぱり多いのは米国向けの自動車向上です。米国に近い地の利を生かして、名だたる企業がメキシコに工場を建てています。具体的には以下の通りです。
- トヨタ
- ホンダ
- 日産
- マツダ
- 日野
- いすず
- フォード
- ジェネラルモーター
- BMW
- アウディ
- ダイムラー
- ボルボなどなど
当然ながら、自動車産業以外の一般産業機器メーカーも現地に進出しています。ただ、やはり影響力のある企業と言えば自動車メーカーでしょう。自動車メーカーの工場を中心として、それに必要な部品メーカーや産業用機器のメーカーが軒を連ねるという形を取っています。
消費先である米国も金融緩和策を始めてから非常に好景気です。若くて豊富な労働力と高い米国の消費意欲がメキシコ経済の好景気を支えているのです。こうした背景から、メキシコは投資家にとって非常に魅力的な経済市場となっています。
メキシコ投資にFXを利用する
最後に投資の方法を考えてみましょう。メキシコに投資したいと考えた場合、いくつかの方法があります。ざっと以下の選択肢が思いつくところでしょうか。
- メキシコ投資信託を買う
- メキシコETF(i sharesなどの上場信託)を買う
- メキシコペソをFXで買う
この中で、一番シンプルでおすすめな方法がFXでメキシコペソを買うという方法です。メキシコ経済が好況となれば、当然ながらメキシコペソの為替レートも上向きます。そして、メキシコペソの場合には高いスワップポイント(金利収益)を受け取ることもできるのです。
投資信託やETFを買うのも良いでしょう。ただ、投資初心者には難しいルールがあって複雑過ぎます。シンプルにメキシコに投資するなら、FXのチャートに賭けるのが一番ではないでしょうか。
そのような訳で、今回はメキシコの雇用統計とその背景に触れてみました。メキシコ投資に興味のある方は、関連記事も読んでみてください。以下の記事では、スワップポイント運用について解説をしております。
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