FOMC経過後にドル・メキシコペソ(USD/MXN)の為替レートが上昇する動きを見せました。理由は米国金利の上昇です。
FOMCでは、今年3回目の利上げを決定。米国の高い成長率を背景に政策金利の引き上げが発表されました。相対的にメキシコペソ利回りの魅力が薄れ、ペソが下落した次第です。
ところが、それでもメキシコペソに底堅さが見られます。今回は、その背景となる米国とメキシコの経済事情を見ていきましょう。
- FOMCでFFレートを0.25%引き上げ
- メキシコペソの値動きが順調な理由
- NAFTA3カ国合意でペソ高に期待
FOMCでFFレートを0.25%引き上げ
先日9月26日にはFX業界の一大イベントがありました。連邦公開市場委員会の会合(通称FOMC)です。ここでは米国の経済動向について会議が行われ、今後の金融政策を決定します。特にFXニュースとして注目されているのが、米国における政策金利の動向です。通称FFレートと呼ばれ、その引き上げペースの如何を市場は固唾を飲んで見守っている状況です。
そのFFレートが0.25%引き上げられました。これは米国の経済が順調である証で、FX業界ではリスク選好を促すニュースとして好感されます。実際、その後に日米ともに株式指数は高騰。日経平均も24,000円を超えてきました。
一方で、メキシコペソ。米国の金利拡大に伴って若干の売りが入りました。理由は米国との金利差が縮まったためです。FOMC以前のメキシコと米国の金利差は5.75%でした。それがわずか0.25%縮まったことに市場が反応したのです。
スワップポイントは2国間の金利差で決まりますから、FXの利回りも若干少なくなりました。その減少分が為替レートに織り込まれ、メキシコペソのレートを悪化させたという訳です。
しかし暴落と思いきや、ここに来てメキシコペソが底堅さを見せています。下落幅は3%程度。FXでは十分に大きな下落ではあるのですが、それ以前のプロセスで10%以上の上昇幅を記録していることを考えると少ない感じがします。
メキシコペソは非常に底堅い。これが今回のブログのテーマです。
メキシコペソの値動きが順調な理由
では、なぜメキシコペソの値動きが底堅いのでしょうか。そこには2つの理由があります。
1つ目は、米国の好景気がそのままメキシコの好景気を連想させることです。米国とメキシコは隣同士の国ですし、経済的な結びつきも強くあります。例えば、米国の自動車消費が増えればメキシコの自動車輸出量も増えますし、原油の消費が増えればメキシコの原油輸出量も増大します。ともかくメキシコにとってアメリカは最大顧客です。メキシコ経済にとって、アメリカ経済が良いに越したことはないのです。
先に示した通り、米国は政策金利を引き上げました。これはバブル抑制のための鎮静化手段です。裏を返せば、金利を引き上げる判断ができるほど米国景気が良いのです。その景気の良さがメキシコにとっても恩恵のある出来事であることもまた、先に示した通りです。
2つ目の理由は、メキシコペソと米国にとってプラスとなる材料が控えているためです。プラスの材料。それはNAFTA合意です。
NAFTA再交渉の問題については、本ブログでも多く取り扱ってきました。波乱が続いたNAFTA再交渉ですが、ここへ来て収束の動きを見せているのです。まずは米国とメキシコの2国間合意。そして、それに続くカナダが合流したというニュースです。ここまで来れば、もう3ヵ国合意は目と鼻の先です。
目先ではドル高ペソ安とはなりました。しかし、上述の通りメキシコペソに取っては決して悪いニュースではないのです。言わばメキシコペソにとって“良い調整の場面”であったと言っても過言ではありません。非常に順調な値動きだと考えます。
NAFTA3カ国合意でペソ高に期待
まだ話には続きがあります。メキシコペソはNAFTA再交渉の問題で散々売られてきた通貨です。それが前述の通り、3カ国合意が近づいています。これでNAFTA再交渉が終結すれば、メキシコにとって非常に良いニュースです。
それを示すかのように、メキシコペソ円には良いチャートの形が出ています。チャート分析でも、まさに「調整局面」です。これを超えればペソ高のシナリオが出る可能性は非常に高いと考えます。
スワップポイント目当ての買いも良いでしょう。キャピタルゲインを狙ったスイングトレードも面白いと思います。兎にも角にも、今のメキシコペソは底堅い。そんな場面であるからこその買いであると管理人は考えます。
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※本記事は管理人個人の意見を述べたものであり、現在および将来に渡る事実を保証するものではありません。FXのトレードは自己責任です。最終的な投資判断は読者の方ご自身で行ってください。
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