10月のこの時期、メキシコペソが急落する事態となりました。ファンダメンタルズ要因は3つ。トランプ発言、オブラドル発言、そして米国株の下落です。悪い要因が重なり、世界的リスクオフとなりました。
そして急落の背景にはヘッジファンドの影もありました。決算売りです。今回は急落の背景を探りながら、メキシコペソの値動きを解説していこうと思います。
- メキシコペソ急落の背景
- ヘッジファンドは決算月で売り
- 急落こそスワップポジションを仕込む次期
メキシコペソ急落の背景
まず、今回の急落を説明づけるファンダメンタルズ要因を探っていきましょう。
1つ目はトランプ発言です。トランプ大統領が中国からの輸出品に関税を掛けるということで、新興国リスクが浮き彫りになりました。メキシコは煽りをくった形です。メキシコと中国に直接的な関係はありません。ただ、米国に輸出品を送る国同士ということで連想売りの対象になった形です。
2つ目が新大統領となるオブラドル氏の発言です。同氏がメキシコで建設中の新空港を取りやめるという発言をしたことで、メキシコペソに悪い評判が立ちました。特に新大統領は改革派として知られているので、その発言にマーケットは必要以上に過敏になっていたようです。また、先のトランプ発言に対抗するタイミングで出たので対立を想像させたのかも知れません。
3つ目がNYダウの急落です。今まで高すぎた米国株が急落する事態となりました。その煽りを受けて、日本株を始めとするリスク資産が売られています。メキシコ含む新興国投資もリスク資産ですから、処分売りの対象となりました。
ただ、これらはいずれも後付けの理由でしかありません。普段であれば、取るに足らないニュースとして聞き流されるレベルの情報です。本質的な問題は、時期の悪さにありました。
ヘッジファンドは決算月で売り
リスク資産を扱う金融業者はいくつかあります。GPIFのような年金筋から、ヘッジファンドのような短期筋まで様々です。今回は、そのヘッジファンドが悪さをしたように思います。例年、10月は株を含むリスク資産が処分される傾向にあります。10月相場のアノマリーですね。
というのも、10月のこの時期はヘッジファンドの決算月であるからです。海外のヘッジファンドは一般的に四半期決算を採用していると言われます。そして、この四半期決算の時期から数えて、10月末は「45日ルール」の期限が迫る時期なのです。
ヘッジファンドの45日ルールとは
ヘッジファンドの「45日ルール」とは、ファンドと顧客の間に結ばれた解約期限を示す言葉です。ヘッジファンドは決算期に解約が集中するのを嫌うため、契約条項に解約の時期を盛り込んでいるのです。具体的には、決算のタイミングから数えて「45日前」です。
この45日前が近づくと、顧客の解約に合わせてファンドは資産を現金化する傾向があります。解約時の払い戻し金を用意する訳です。
結果として、この10月という時期は株価や金融商品の売りが出ることがしばしばあります。今回のメキシコペソ急落もこの解約売りが一枚噛んでいたのではないかというのが、管理人の考える所です。
急落こそスワップポジションを仕込む次期
もっとも、解約売りが出たところでいずれファンドは買い戻しを行います。特にヘッジファンドは1年通じてポジションをプラスマイナスゼロにしますから、空売りをしたとしても長期に持ち越すことはありません。メキシコペソに魅力があれば、また買い戻しを行います。
そのため、一般の投資家にとっては急落時こそ買いのチャンスとなります。ただ、怖くて買えない投資家や既存の含み損を抱えているトレーダーの方が多くいます。だからこそ、急落時は買いのチャンスとなる訳です。「相場の勝者は常に少数派」という理由がここにあります。
目先の材料こそ売りではありますが、長い目で見ると相場は平坦化するものです。売り材料は長くは続きません。通貨の値動きが弱い時こそ買いなのです。
そんな訳で、管理人はスワップ運用のポジションを構築し始めました。ここら辺はtwitterで宣言した通りです。若干、タイミングは早まったものの、損切りはしていません。しばらくはリバウンド相場になると考えます。
メキシコペソのスワップ運用に興味のある方は、以下の記事も是非ご覧ください。
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