メキシコペソが軟調となっています。理由は移民問題です。米国の国境にメキシコ経由の移民キャラバンが到着し、トランプ大統領が排除命令を出しました。ニュースが紙面を騒がせています。
この影響を受けたのがメキシコペソ。難民問題には敏感ですから、今回も為替レートは売りで反応しました。現在、5.62円付近で推移しています。
このページでは、事の経緯と今後の動向を解説したいと思います。
- 南米諸国からの移民で大統領令
- チャート分析と買いのポイント
南米諸国からの移民で大統領令
最初にニュースの詳細を解説しましょう。
トランプ大統領が11月9日に大統領令にサインをしました。内容はメキシコ経由でやってきた不法入国者に難民資格を与えないというものです。詳細は、以下のロイターの記事をご覧ください。
[ワシントン 9日 ロイター] – トランプ米大統領は9日、メキシコ国境からの不法入国者に対し、難民資格の付与を事実上制限する大統領令に署名した。
10日に発効し、通関手続き地を通る入国者に難民申請資格を認める。
トランプ氏は記者団に「難民に関する大統領名に署名した。非常に重要だ」と指摘。「入国は可能だが、通関手続き地を通る必要がある」と述べた。
大統領令の有効期間は90日か、メキシコを通過した難民希望者の送還が可能となる合意を同国と締結するまでのいずれか短い期間とした。
実は難民キャラバンがメキシコを経由して北上していたことは以前から海外紙ではニュースになっていました。ただ、それだけでは大騒ぎとならず、国内では話題になりませんでした。今回、トランプ大統領がアクションを起こしたことで初めて大きなニュースになった次第です。
ただでさえ、米国の排他主義が取り沙汰される昨今ですから、為替レートの値動きにも影響を与えます。特にナイーブなのがメキシコペソ。今回の難民キャラバンが南米を出発し、メキシコを経由して米国に不法入国していることが問題となりました。再び、メキシコ国境での壁建設を彷彿とさせる出来事であったからです。
チャート分析と買いのポイント
上記の通り、トランプ大統領のアクションを受け、メキシコペソは再び下落を開始しました。ただ、こうした突発的なニュースの後には得てしてリバウンドがやってくるものです。メキシコそのものに大きなニュースがないことから、今回のニュースは押し目作りのイベントになるのではないかと考えます。
メキシコペソに限らない話ですが、今回のような突発的なニュースはしばしばリバウンドの買いを誘発します。理由は経済そのものと関係のないリスクオフであるからです。本来なら、為替レートは経済事情で左右されるもの。しかし、ニュースに揺さぶられて売られるような局面では、恐怖に駆られた投資家が投げ売りを行うことがあるのです。
そこで、チャートに重要なポイントを書き込んでみました。次の買いポイントです。
目先の買いポイントはMXN/JPY=5.50の直近安値です。ここで反発を試すようなら買いの場面でしょう。プライスアクションを注意深く見守りたいと思います。
長期保有や積み立ては、こうした投げ売りの局面を拾うと利益に直結しやすくなります。今回もそのチャンスが来たと考えます。今は値動きを静観しましょう。
※今回の記事で利用したメキシコペソ円のチャートはマネーパートナーズから拝借しました。
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