先行き不透明な展開が続いている北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉。昨日8月31日にはカナダと米国の交渉が期限切れを迎え、9月5日以降への交渉延期が決まりました。カナダと米国で合意が整わない原因は、両国の農産物に対する協定条項にあるようです。
一方のメキシコは8月27日に先行して合意が整いました。懸念されていた自動車関税は、幸いにも課税ゼロ。最悪の事態は回避するという結果となりました。もっとも、カナダ・米国間に漂う不和の影響を受け、肝心のメキシコペソはカナダドルに連れ安となる展開となりました。
この先、どうなることでしょう。今回は、NAFTA再交渉に絡むメキシコペソの行方について推察を巡らせたいと思います。
- NAFTA合意なるもメキシコペソは下落
- NAFTA交渉が整えばペソ上昇のチャンス
- 注目のチャートポイントは50日移動平均線
NAFTA合意なるもメキシコペソは下落
最初に事の次第から解説していきましょう。
8月27日にメキシコと米国がNAFTA交渉で大筋合意されたとのニュースが流れました。しかしながら、メキシコペソは下落。理由はカナダと米国の交渉が期限切れを迎えたためです。これでNAFTA決裂のリスクが高まり、メキシコペソはカナダドルに連れて下落するという事態となりました。
本来であれば、NAFTA合意はメキシコ経済にとって朗報であるはずでした。しかしながら、NAFTA(北米自由貿易協定)はあくまで米国・カナダ・メキシコの三カ国間で成立する貿易協定です。カナダと米国の間で交渉がもつれていることで、NAFTAそのものが破綻するリスクが高まった訳です。
メキシコはカナダのとばっちりを受けた。簡潔に表現するなら、こうした言い回しもアリでしょうか。
NAFTA交渉が整えばペソ上昇のチャンス
前述の通り、メキシコペソは弱気の値動きを続けている訳ですが、必ずしも悲観する必要はないのかも知れません。理由もまた前述の通りです。メキシコとアメリカの間では建設的な合意がなされ、少なくともNAFTA再交渉が決裂するリスクはなくなりました。
さらにメキシコにとって朗報なのは、アメリカがメキシコとの二国間協定でも構わないという姿勢を示していることです。最悪のケースとしてカナダがNAFTAを離脱しても、メキシコとアメリカの間で協定が結ばれることが確実視されているのです。
また、カナダもカナダでNAFTAを離脱する姿勢は見せていません。むしろ、建設的な交渉を続けているために長引いているとのコメントが交渉団から出ています。アメリカ側も概ね同様のコメントを出しています。さすがにカナダのNAFTA離脱はかなり可能性の少ない選択肢となってきました。
という訳で、現在のメキシコペソは過剰にリスクを意識しすぎた値動きをしている状況です。翻ってNAFTA交渉が早期にまとまるようであれば、そこにはペソ買いのチャンスが転がっているのではないでしょうか。
注目のチャートポイントは50日移動平均線
以上の通り、今回はメキシコ・カナダとアメリカを巡るNAFTA再交渉の経緯を解説してみました。ここからはFXの話に移りましょう。重要なチャートポイントは50日移動平均線です。
上記はメキシコペソ円の日足チャートです。NAFTA再交渉の経過に従い、現在は50日移動平均線をまたいだ攻防が広げられています。この手のチャートは、大きく動く前によく見るタイプのパターンですね。どこかで50日移動平均線から大きく乖離する値動きが起こるはずです。そこがトレンドが始まる第1のシグナルとなることでしょう。
個人的にはトレンドが出る前にポジションを作るのが好みです。ですので、NAFTA再交渉の結果が出る前に、早々とポジションを建てようと思います。当然、シナリオはペソ高トレンドの方が優位と見ています。理由は、ここまで解説した通りですね。
という訳で、NAFTA再交渉からのペソ高シナリオ。ご興味のある方は、メキシコペソのトレードができるFX会社に口座を持ってみてはいかがでしょうか。以下の記事におすすめFX会社を紹介しています。
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