メキシコ、カナダ、アメリカが長く続けてきたNAFTA再交渉も最終局面。直近で買い材料となる要人発言が出ました。メキシコ財務相による歩み寄りの姿勢です。
メキシコペソはカナダとアメリカの交渉経過が長引いていることを理由に、直近1週間で横ばいの展開を続けていました。その折、ゴンザレス・アナヤ財務相から歩み寄りと取れる発言が出たのです。FXではメキシコペソが買いに傾き、トレンドの初動とも取れる値動きが出ました。
現在、メキシコは大統領が不在の状況です。そんな中、財務相というインパクトある要人発言が相場を動かしました。詳細を解説していきたいと思います。
- ゴンザレス・アナヤ財務相の発言内容
- カナダNAFTA離脱でもメキシコペソ買いのシナリオ
- メキシコペソのスワップポジションを仕込むチャンス
ゴンザレス・アナヤ財務相の発言内容
最初にニュースの経過をご報告しましょう。9月11日、海外紙に下記内容のニュースが報道されました。以下は管理人の意訳を交えたニュースの内容です。
- メキシコが米国と2国間協定に署名へ
- メキシコがカナダ抜きでも2国間協定を結ぶ可能性
- ゴンザレス・アナヤ財務相「カナダも大事だがアメリカが最重要事項だ」
- 同財務相「カナダと米国の課題はメキシコと米国の課題とは別物」
NAFTA再交渉の経過の中で、メキシコは既にアメリカと大筋合意を取り付けていました。しかしながら、カナダと米国との調停は現在でも合意に至らず、むしろカナダのNAFTA離脱が懸念される事態となっていました。その結果、メキシコはカナダの巻き添えを食う形で調印を引き延ばされていたのです。
上記の背景にある中、メキシコ財務相のゴンザレス・アナヤ氏から「カナダはカナダで別問題。メキシコはメキシコで独自にやる」という旨の発言が出たのです。要は、カナダ抜きで米国との貿易協定に署名する可能性を示唆した訳ですね。
長らくNAFTA再交渉でくすぶっていたメキシコペソですから、マーケットは事態の進展を好感しました。結果、為替レートはペソ買いに傾き、今に至るという状況です。
カナダNAFTA離脱でもメキシコペソ買いのシナリオ
前述の通り、メキシコは独自路線で米国との貿易協定を結ぶ姿勢を見せました。これは長期のペソ買いトレンドを誘発する可能性があります。理由は以下の通りです。
- メキシコペソはNAFTA再交渉の遅れを意識してリスク回避に傾いてきた
- 上記のリスク回避は新政権の誕生に水を差す形でペソ売りを顕在化
- しかし、それ以前は新政権誕生を好感してペソ買いトレンドが発生していた
要はNAFTA再交渉の遅延が押し目買いのチャンスを誘発したとの見方をしている訳です。長い目で見て、メキシコペソは大統領選挙の後に買いトレンドに入っています。それがNAFTA再交渉で下落した訳ですが、安値を更新することはありませんでした。これは買いトレンドの一般的な傾向です。
チャートを見ると、この傾向はよく分かります。上記はメキシコペソ円の日足チャートです。チャートはマネーパートナーズから拝借しました。
NAFTA再交渉も終盤戦に差し掛かっています。このリスク回避の値動きが収まれば、再びペソ買いトレンドが再開されるのではないでしょうか。長らくメキシコ経済を脅かしてきたリスクイベントが一段落するという訳です。そうすれば残るシナリオは、高金利のメキシコペソに投資資金が振り向けられるという状況だと考えます。
メキシコペソのスワップポジションを仕込むチャンス
以上の通り、今回はNAFTA再交渉のイベントを軸にメキシコペソの先行きを見通してみました。巷ではトルコショックやアルゼンチン危機が紙面を賑わせてはいますが、メキシコは比較的安定した経済を堅持しているので、買いがあり得る投資先だと思います。
個人的には、ここから大きなペソ買いトレンドが出ることを期待しています。管理人は、既にメキシコのNAFTA大筋合意が報道された時点で買いを入れました。数か月単位のトレンドを期待していて、新たなリスク材料が出ない限りはホールドを続けるスタンスでいようかと思います。もっとも、どちらかといえば差益狙いのトレードを心掛けたいと思います。
ただ、FXでメキシコペソをトレードするなら、やはりスワップポイント目当ての投資が一般的でしょうか。その場合でも、安値で仕込む必要がある訳で、やはり近日中が重要なポイントになると思います。というのも、9月と言えばヘッジファンドも下半期が始まる時期だからです。大きく買われるなら、この時期が狙い目ではないかと思います。
そんな訳で、メキシコペソのスワップポイントに興味のある方は関連記事も併せて読んでみてください。管理人が買い予想をする理由も少し分かってもらえるかと思います。
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