新興国メキシコは政策金利を高く設定している国です。理由はインフレ。伝統的な金利設定の手法によって政策金利を高く保ち、通貨ペソの価値下落に歯止めを掛けています。
この数年は米国を始めとする先進国の金融緩和策がインフレの進行を助長する傾向にありました。しかし、その金融緩和策が出口戦略に向かった昨年2016年から、ペソのチャートに変化が現れだしたのです。そう、資金流出の巻き戻しによるメキシコペソの買い戻しです。
このページでは、メキシコ政策金利の推移とともに高金利を活かすスワップポイント狙いの戦略について解説します。
- 高い政策金利とスワップポイント
- 米国の量的金融緩和縮小が追い風
- FX会社次第でスワップ0円の罠
高い政策金利とスワップポイント
最初にメキシコと通貨ペソの金利に関わるデータを見ていきましょう。以下は、メキシコの政策金利の推移をグラフで示したものです。ご覧の通り、この数年間は政策金利を上げてきています。
この政策金利の高さから来るスワップポイントの金額がメキシコペソの魅力の一つです。単純な話、ペソ買いのポジションを維持していれば、スワップポイントによる利益が上積みされるためです。このような手法は、キャリートレードとかバイアンドホールドとか呼ばれています。
もっとも、単純なようでいて複雑なのがFXの世界。この数年、メキシコペソの為替レートは下落の一途を辿っていました。理由は、世界的な不況の継続と先進国の金融緩和策です。先進国に投資資金を奪われていたために、メキシコのような新興国に投資が振り向けられることが少なかったのです。
米国の量的金融緩和縮小が追い風
メキシコペソの為替レートが下がっていることは前述した通りです。ただ、この数年で世界の金融政策に変化が表れ始めました。メキシコの政策金利利上げもその一つです。しかし、最も大きな変化はアメリカの量的金融緩和が終了し、財政緊縮のシーンに入ったことでしょう。
米国の金融緩和策は米国経済のみならず、メキシコのような新興国にも大きな影響をもたらします。以下のチャートにイベントを書きこんでみましょう。
理屈の上では、米国の財政緊縮策=新興国投資の増加を意味します。以前の第2次量的金融緩和(通称QE2)が終了する局面でもそうでした。実際、今回の第3次量的金融緩和(通称QE3)が利上げ局面に入ったことで、ペソ円チャートの下落に歯止めが掛かっていることが分かります。
最終的には、メキシコ中銀が利下げをして再び通貨レートは下落となるのでしょう。しかし、それはまだまだ先の話。2017年現在のメキシコ中銀は利上げの真っ最中です。ペソのインフレ率は、まだ利下げを許容できる段階にありません。しばしの間、為替レートの上昇を期待できるのではないでしょうか。
FX会社次第でスワップ0円の罠
最後にスワップ狙いのポジションを持つ際に気を付けるべきことについて解説します。題意の通り、選び方によってはメキシコペソのスワップポイント0円のFX会社も存在します。スワップポイントはFX会社が自由に決めることができるので、必ずしも高金利を設定する必要がないのです。スワップポイント0円であっても、全く法的に問題ありません。
メキシコペソを扱うFX会社はサービスに大きな差がある現状があります。当然ながら、スワップポイント狙いでポジションを持つ口座は優良なFX会社を選びたいところです。各社のスワップポイントを確認してみましょう。
FX会社 | 買いポジ | 売りポジ | 備考 |
---|---|---|---|
LIGHT FX | 110 | -110 | 低スプレッドでおすすめ |
みんなのFX | 110 | -110 | 取引単位:1,000通貨 |
マネーパートナーズ | 110 | -140 | 取引単位:1万通貨 |
GMOクリック証券 | 112 | -112 | くりっく365 |
ヒロセ通商 | 13 | -18 | 取引単位:1万通貨 |
更新日:2019.9.1 |
直近のスワップポイント一覧表を載せてみました。大体にして、ランク上位に来るFX会社は優良なサービスを提供する傾向にありますね。数字は小さく見えますが、その分1円の差が大きく影響することは知っておいて良いと思います。
個人的におすすめなのはマネーパートナーズです。東証一部上場のブランドを持つため、法的にしっかりとした対応が義務付けられているFX会社です。そもそものスワップポイントも高く設定されていますしね。
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