メキシコ中銀が政策金利を引き上げました。市場予想を裏切る8.0%への利上げ。ペソ高への期待が出てきました。
足元ではメキシコ経由の移民流入でアメリカとの関係悪化が懸念されてきました。しかし、市場のニュースは一転。メキシコペソ高を期待する声が上がり始めています。
今回はニュースとチャート分析を主軸に、今後の見通しを解説したいと思います。
- メキシコ中銀が政策金利引き上げへ
- メキシコペソのチャート分析【ダブルボトム形成か】
- ヘッジファンドの45日ルール終了で
メキシコ中銀が政策金利引き上げへ
最初にニュースの解説から。去る11月15日、メキシコ中央銀行は政策金利である公定歩合を0.25bp引き上げました。以下はロイターのニュースです。
[メキシコ市 15日 ロイター] – メキシコ中銀は15日の政策決定会合で、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げ8.00%とした。次期政権の政策がインフレを押し上げる恐れがあるとも指摘し、ロペスオブラドール新大統領に強い警告を発する形となった。
また、追加利上げがあり得るとの見解も示した。
利上げは予想通り。会合メンバーの1人が50bpの利上げを主張し、全会一致にはならなかった。
利上げは予想通りと書いてありますが、市場のコンセンサスは【据え置き】でした。その証拠に、利上げの発表後には期待を裏切る1%のペソ高となっています。
さらに嬉しいことに、中銀の見解は【今後の利上げもあり得る】という話も出ています。メキシコペソと政策金利には正の相関関係がありますから、否が応でもペソ高への期待が出てきました。
メキシコペソのチャート分析【ダブルボトム形成か】
では、政策金利の引き上げでメキシコペソの為替レートはどうなることでしょう。以下にはチャート分析で今後の予想を立てていきましょう。まずは為替チャートを見てみましょう。メキシコペソ円の日足チャートです。
ご覧の通り、直近では移民の流入問題やオブラドル次期大統領の危うい発言でペソ安の展開となっています。しかしながら、メキシコ中銀はこれを打ち消すように利上げを実施しました。インフレ懸念に悩むメキシコ経済にとってはプラスの材料です。
この利上げというプラスの材料を元に、上昇予想を立ててみましょう。トレンドラインを一本引いてみます。以下はその解説です。
ポイントになるのがトレンドライン突破の勢いです。今回の政策金利引き上げで、メキシコペソ円は直近1%のペソ高となっています。ただし、まだトレンドラインは突破していません。上記チャートに引いたトレンドラインを上に抜けることがペソ高トレンドへの転換ポイントとなります。
もっとも、ペソ下落の勢いは十分に弱まっています。【ダブルボトム】の出現です。既にメキシコペソは二番底を付けていて、既に上昇転換の予兆を見せ始めています。リスクはありますが、チャート分析の基本に則れば、ここがペソ買いのタイミングとなります。
以上の通り、管理人の予想は【ここでペソ買い】となりました。既にペソ買いポジションを持っている管理人。後はじっくり事の成り行きを見守りたいと思います。
ヘッジファンドの45日ルール終了で
付け加えるならば、もう一つ面白いイベントも現れています。ヘッジファンドの45日ルール終了です。以下の通り、ヘッジファンドは決算月の45日前にポジションを整理する傾向があります。これもまた、ペソ下落に拍車を掛けた材料であったと考えます。
しかしながら、11月15日という日付で決算売りも終了。次はファンドが買い戻しの動きをするものと予想しています。政策金利の引き上げ+ヘッジファンドの買い戻し。これが管理人がペソ高予想を立てた根拠となっています。
そんな訳で、短期的に見てメキシコペソは買い。年始にはオブラドル次期大統領の就任が控えていることも考えると長期目線でも買いでしょうか。管理人も今回のポジションは少し長く持ってみたいと考えています。
メキシコペソのトレードに興味のある方は、以下の記事もご覧ください。
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